菊芋とは

菊芋とは

 

 

  菊芋とは・・・意外と身近な植物です!

 

      

 

みなさんは、菊芋(キクイモ)という植物をご存知ですか?

菊芋とは、キク科ヒマワリ属に分類される多年草です。

夏の終わりから秋頃にかけて、菊に似た黄色い可憐な花を咲かせます。

花が枯れた後は、秋から冬に根が膨らみ、ショウガのような形の球状になります。この部分(塊茎)が主に食用として用いられる「芋」なのです。

 

芋とつきますが、ジャガイモやサツマイモに含まれるようなデンプンはほとんどありません。

菊芋に含有される成分で最も注目されているのは、「天然のインシュリン」ともいわれれいる「イヌリン」です。菊芋には、およそ8%〜15%のイヌリンが含有されているといわれています。

このイヌリンが『血糖値を安定させるはたらき』があるので、菊芋は奇跡の野菜として取り上げられているのです。

 

 


    

 

 

どんな植物

実は、菊芋は日本の里山にも、意外と身近な河川敷にも昔から自生しています。線路わきに生えている菊芋の報告もあります。

太陽の日差しと、最低気温が16度より低い気候ならどんな荒れ地でも育ちます。繁殖力が強いため、野生化して日本中に広まりました。

菊芋は吸収した養分を根に蓄え、栄養価の高い食物として成長していくのです。

栄養があって自生する植物であるならば、ぜひ日本のスーパーや八百屋にも並んで欲しいものですね。

しかし、菊芋をいざ育てるとなると様々な壁にぶつかります。栄養の吸収力が強いことから連作障害が起きやすく、2年以上同じ畑を使うことができません。また、育った菊芋は15℃以下の寒冷下で保存しなければならず、広く普及させるには課題があります。

このことから、菊芋は農家さんから畑の雑草として嫌われてきました。

栄養素がバランスよくたっぷり含まれた菊芋を育てるには、たくさんの手間と長期的な計画が必要になってくるのです。

 

 

そんな菊芋ですが、どのように育てていくのでしょうか。

最低気温が16℃を下回る気候であれば作付けは可能です。土壌は選びませんが、水はけのよい方が適しているようです。

種芋は、春に植えます。

塊茎が大きくなったときに干渉しあわないように、種芋は60cm以上の間隔を開けて植えていきます。

種芋を植えて2〜3週間ほど経つと、芽が出てきます。

小さいうちは雑草が出てきたら草取りを行いますが、あっという間に育ちますので、そのううち雑草が気にならなくなります。

 

 

夏にかけて大きく成長し、背丈は2メートルを越すようになります。これだけ大きな植物に成長するのですから、土の中の栄養を根こそぎ吸収するのもうなづけそうです。

 

 

9月~10月 キク科の植物として、菊に似た黄色い花をつけます。

 

観賞用としても菊芋の花は私たちを楽しませてくれます。

水の吸い上げがとっても良いので、切り花にして飾れば、1ヶ月ぐらい鮮やかな黄色い花が空間を明るく演出します。

 

11月〜12月

花が枯れると、根が球状に大きくなります。これが主に食用となる塊茎です。

一つの種芋から10個以上の塊茎が実ります。

芽が出てから半年以上は土の中で大事に育てていきます。

冬にいよいよ収穫です。

 

 


    

 

 

歴史

 

菊芋はもともと北アメリカの原住民トピナンブ族が冬の食糧や家畜の資料として食べていました。

1602年にイギリス人が見つけてヨーロッパに運び世界中に広がったようです。ドイツでは「トピナンバー」、フランスでは「トピナンブール」、また英米ではアーティチョークに似た味がすることから、「エルサレム・アーティチョーク」と呼ばれています。

1772年にヨーロッパンで起きた飢饉の時に、繁殖力と栽培の容易さから栄養源として活用されました。やがて植民地支配を行っていたヨーロッパの人々によって、世界中に菊芋が持ち込まれていったようです。

アメリカやヨーロッパでは、数百年前からすでに自然療法として用いられ、ハーブとしてもトピナンバーと聞けば馴染みのある人もいらっしゃるでしょう。1945年の第二次世界大戦後のドイツでは飢餓をしのぐ食材として栽培してきました。

日本では1860年代に横浜に渡ってきたアメリカ人によって伝来し、植物・博物学者の田中芳男氏によって「菊芋」と命名されました。当時は主に家畜の飼料として栽培され、豚クサの俗称で呼ばれていた地域もあります。

その後昭和になって、果糖やアルコールへの原料としての研究が行われるようになり、特にお酒の原料としての研究は盛んに行われていたようです。品種改良を試みる試験栽培が行われていた記録もあります。

 

第二次世界大戦時の食料難の時期には、栽培の容易さから国民の栄養源として作付統制野菜にも指定され、全国に広がっていきました。

しかし、戦後の復興と共に、調理はしにくいし、ジャガイモやサツマイモのように美味しくないし、繁殖力が強すぎて農家さんには厄介者扱いされるようになるしで、次第と日本の食卓からは姿を消すようになり、わずかに家畜の飼料として栽培されるような立ち位置へと余儀なくされてしまいます。

 

高度成長期に行われた菊芋の研究報告が殆ど見受けられないことから、菊芋への関心はすっかり失われ、しまいには、野生化した菊芋の繁殖力の強さに、指定外来種に国が指定してしまうほど、なんとも肩身の狭い植物になっていったのです。

唯一長野県を中心とした地域では、冬に収穫できる菊芋は貴重な食料として栽培が受け継がれていき、味噌漬けは郷土料理として今も一般家庭で親しまれております。

 

ところが、平成になって、ヨーロッパを中心に菊芋の機能性に注目されるようになり、特にドイツでは盛んに菊芋の研究が行われるようになって来たのですが、それに日本で最初に着目したのが、菊芋普及の先駆者である中山繁雄氏です。

中山氏の活動により、日本でも菊芋の研究が再開し、菊芋は今や最も注目される野菜のひとつとなり、メディアや雑誌で特集を組まれるようになったのです。

 

 


    

 

 

効果

 

菊芋を食べる習慣が古くからある欧米諸国では、菊芋によってもたされたと思われる体への効能が語り継がれています。

菊芋に何故数々の伝説が生まれたのかを、日本を含め各国で研究が行われています。

研究が進むにつれ、菊芋の食養生が確立していくものと想像できますが、実際に菊芋を食べた人の体験をここではご紹介してまいります。

 ◆ヘモグロビンA1cの減少

 ◆高血糖値の改善

 ◆中性脂肪値の低下

 ◆高血圧の改善

 ◆便秘の解消

 ◆体重の減少

 ◆不眠症の改善

 ◆腹囲の減少

 ◆アトピー症状の緩和

 ◆骨密度の上昇

 ◆肌の保湿力UP

 ◆くすみ改善

 


    

 

 

イヌリン

 

菊芋の塊茎には、「イヌリン」とよばれる特殊な糖類が平均8〜15%ほど含まれています。
このイヌリン(糖)が、糖尿病予防や改善をもたらす成分として注目されているのですが・・・。
糖を摂取しているのに、糖尿病に効くって一体どういうことなの?なんて、不思議に思いますよね。
ここでは、イヌリンの構造やその効果についてお伝えします。

イヌリンは、フルクトース(果糖)が鎖状に約30個ほど連なり、末端にグルコース(ブドウ糖)が1個くっついた構造をしています。
意外と、シンプルですね。

フルクトースもグルコースも同じ単糖類なのですが、その大きな違いは、生体内でブドウ糖は血液中に入りこみ肝臓のインスリンにより代謝されるのに対し、フルクトースはインスリンの影響を受けない点です。
そのため、フルクトースは砂糖の代用品として糖尿病患者にしばしば使われています。

イヌリンは体内に入ると消化液と混ざってゲル状に変化します。このイヌリンのゲル状繊維が体内で大活躍するのです。

犬のリンちゃん

 

 

犬のリンちゃん

 

 

 

イヌリンのココが凄い!
1.食後の血糖値の急激な増減を抑制

イヌリンのゲル状繊維は、胃や腸の消化酵素により分解されることはなく、胃壁や小腸壁を覆います。そのため、イヌリンと共に摂取した他の炭水化物(ブドウ糖)や脂質などの吸収を妨ぐのです。炭水化物を緩やかに分解するため、インスリンの過剰な分泌を防ぎ、血糖値の急激な増減を抑えます。また、ゲル状になることで満腹感が得られ、食べ過ぎなどの防止につながります。

2.善玉菌を増やし、腸内フローラを改善

イヌリンは腸内に到達したとき、細菌によってはじめて分解されます。その腸内細菌が、なんと善玉菌!イヌリンはビフィズス菌などの善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やすはたらきがあるのです。腸内フローラが整えられることでコレステロールが減り、便通が良くなり、ダイエットにも効果が現れるのです。

3.インスリン分泌の抑制と活性化は選択的

善玉菌はイヌリンを「短鎖脂肪酸」に変化させます。この短鎖脂肪酸はインスリンの分泌を活性化させるはたらきがあるので、2型糖尿病などインスリン分泌に障害がある場合効果を発揮します。イヌリンは選択的にインスリン分泌をコントロールすることができるため、糖尿病患者のみならず健康体の人に対しても動脈硬化などの生活習慣病予防に効果が期待されています。