菊芋の摂取量と効果的な食べ方

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豆知識
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余り知られていませんが、菊芋が日本で食されるようになったのは、明治のはじめ頃です。


最初は家畜の餌としての利用が主でしたが、次第に食べると体の調子が良さそうだと言われるようになり、徐々に広がっていったようです。菊芋に関しての研究資料がわずかですが残っています。


本格的に全国で栽培されるようになったのは、戦後の食糧難の時です。土地を選ばす、手を掛けなくても成長してくれて、しかも栄養に富んでいることから、政府が菊芋栽培を推奨したことにあります。


その頃になると、菊芋の栄養価値に着目し研究が盛んに行われそうな兆しや、菊芋の品種改良を手掛ける研究者も現れ、菊芋が日本の食卓に当たり前に登場するかと思われました。


ところが高度成長期を迎えるころには、もっと大量生産しやすい野菜だったり、ハイカラで美味しい野菜が選ばれるようになり、始末に悪い菊芋は農家さんからは忌み嫌らわれ、徐々に研究も廃れていき、食卓を飾る食材にはなれませんでした。時々見かける自生している菊芋は当時の名残です。


しかし、最近になりやっと菊芋の魅力に気付かれる人が増えて、菊芋が再び脚光を浴びることとなりましたが、食卓から姿を消して60年余り経ち、菊芋の食べ方を知る人も少なくなってしまいました。


そこで、改めて最近の研究の報告も織り交ぜながら、菊芋の食べ方についてお伝えしたいと思います。






以前は農家さんから厄介者扱いをされていた菊芋ですが(今でも悩ましいようですが・・・)、確かに繁殖力が強く、全て掘り切ったと思っていても、翌年にはちゃっかり芽をだして、他の作物の生育の妨げになるという何とも始末に負えない野菜ではあるようです。


が、その繁殖力生命力が、人間にとっても非常に有難い植物であることは間違いないようで、巷でスーパーフードとして脚光を浴びることになった所以でもあります。


菊芋を昔から食する習慣の欧米では、以前より、体に良さそうな様々な逸話が報告されていることから、菊芋の効果について盛んに研究が行われるようになりました。健康食品としての応用も多数見受けられます。


注目される菊芋の成分として、イヌリンやポリフェノール、ミネラル(特にカリウムの含有量が豊富)ですが、特に、糖の吸収を穏やかにするイヌリンは、食生活の欧米化に伴い増加している糖尿病の予防にと熱い視線が注がれています。


やっと日本でも眼が向けられるようになった菊芋ですが、知らないで食べると、とてももったいない食べ方をしているかもしれません。まだまだ日本では供給量の少ない貴重な食物ですから、無駄なく菊芋のパワーを十二分に満喫できるように食べたいですね。



  菊芋を食べるときの7つのコツ





菊芋食の研究所に多くいただく質問は、どれくらい食べればいいの?どうやって食べるの?です。


菊芋は植物であって薬ではありませんから食べる量は決まっていませんが、代表する成分のイヌリンが糖尿病の予防になると聞けば、目安みたいなものは知りたいですよね~。


馴染みがない野菜ですから、食べ方もさっぱりですし、生で食べられるのか、煮て食べるのか焼いて食べるのか疑問は尽きません。


調理の仕方は『菊芋食レシピ』としてまとめてありますので、そちらをご覧いただいて、ここでは食べる際に知っておいていただきたいポイントを7つ紹介してまいります。


菊芋を使ったレシピはこちら


1.皮ごと食べる


食べ慣れない方や何となく味に馴染みがない方は、皮を剥かずに食べることに抵抗があるかもしれません。


しかし、ある実験で菊芋の主たる成分であるイヌリンには大差がなかったものの、ポリフェノールの成分量の比較では実の約4から5倍の量のポリフェノールが皮に含まれているという結果が出ました。

更に同じ実験で、抗酸化性の評価では皮の方が約8から14倍も多く確認されたのです。


イヌリンを含む野菜は他にもありますが、菊芋が他の野菜を抜いて糖尿病の予防が期待できると言われる理由にポリフェノールを含む他の成分との相乗効果や抗酸化力による効果もあるようです。その効果は糖尿病だけではありません。体の調子を上げてくれる作用が、皮により多く含まれていることが分かってきたのです。


せっかくの恵みを捨ててしまうのはもったいない!


タワシなどで土をしっかり洗い落として、是非皮ごといただきましょう。乾燥チップスをお買い求めになる時も皮つきで乾燥したものかどうかをチェックすることをお勧めします。


2.食前に食べる

菊芋に豊富に含まれるイヌリンは、糖の吸収を穏やかにする作用が認められており、糖尿病の予防や低糖質ダイエットに注目されている成分です。


実際菊芋を食べるようになって血糖値の上昇が抑えられた事例が多数報告されています。専門医も糖尿病の予防対策として菊芋を積極的に摂るように推奨しており、メディアや書籍などでも紹介されています。


低糖質ダイエットは、糖の吸収を抑えることによって体内に蓄えられている脂肪を燃焼させるダイエット法で関心が高まっています。菊芋がダイエットに有効として期待されるようになってきているのも、糖の吸収抑制効果が実証されていることが理由のひとつと考えられます。


菊芋に関する研究も年々活発になってきていますが、食べるタイミングでその効果に違いがあるとの報告があるのです。菊芋を最初に食べた時と食事の途中で食べた時では、最初に食べたほうが血糖値の上昇が穏やかになるというのです。


糖質が気になる人は、是非菊芋を最初に食べる菊芋ファーストを実践してみてください。これまで菊芋を試したが、期待するような結果が得られなかった方は、まず菊芋を食べてからご飯を食べる食事法を意識してみてはいかがでしょうか。


私たちはこの食事法を【トピ・ファースト】(トピ=フランス語のトピナンブールから取ってます)と名付けて提案しております。


更に、面白い研究報告があります。朝食に菊芋を食べた場合と夕食時に食べた場合では、朝食に食べた方が1日の血糖値の上昇が抑えられる結果が得られたというのです。菊芋を食べるなら朝がお勧めのようです。



3.1日20g~30gの量を食べる

一番多くいただく質問は、「どれくらい食べればいいですか?」という質問です。


先述しましたが、薬ではないので摂取量の決まりはありません。野菜ですから食べたいだけ食べてもよいのですが、日本では菊芋の供給量が少ない為、決して安く手に入るものではないので、体に良い作用をもたらす量を知って効率的に食べたいですよね。


それにお応えするひとつの目安についてお話をいたします。


菊芋についてお伝えする際は、どうしても主成分のイヌリンの話が中心になってしまいますが、イヌリン目線で菊芋の量を示すと、約20g~30gになります。イヌリンの1日の摂取目安が2gと言われているからです。専門家の間では糖尿病や中性脂肪が気になる方は、1日10gのイヌリンの摂取を薦めていますので、2gは健康な人が健康を維持するための量と理解していただけるとよいでしょう。


菊芋のイヌリン量は成分分析で約8%~15%という結果がでていますので、菊芋の重量でいうと20g~30gとなるのです。鶏卵ぐらいの大きさが大体この量に相当します。


菊芋は大量に摂るとお腹が緩くなることがあります。糖尿病などで体調が気になる方は100g食べましょうという説もありますが、ご自身のお腹の具合と相談しながら量を調整していくのが良いでしょう。


しかし、毎日菊芋を1個食べるのは意外としんどいです(菊芋愛好家の私でも…)。加えて生の菊芋は期間限定の植物です。通年で毎日摂るなら、加工品を上手に組み合わせることをお勧めします。


菊芋の主な加工品の摂取量の目安も併せて載せておきますのでご参考にしてください。



健康維持 糖対策 イヌリン量
生菊芋 20g~30g 70~100g 8~15%
菊芋チップス 4g~6g 10~20g 40~50%
菊芋シロップ 小さじ1杯~2杯 大さじ2杯 30%
菊芋シュガー 小さじ0.5~1杯 大さじ1杯 90%
菊芋パウダー 小さじ1.5~2杯 大さじ1.5~2杯 40~50%
菊芋茶 1~2袋 3~5袋 20~30%


体質や体調によって食べ始めに、お腹の膨満を感じたり、緩くなったりします。ご自身の体調に合わせて量を調整しながら食べてください。


継続して食べると、お腹の状態は落ち着いてきます。様子を見ながら少しずつ増量してください。


これまで食べ過ぎによる健康被害は報告されておりません。


菊芋シロップ・菊芋シュガーは、オンラインショップでご購入いただけます。


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4.煮汁も食べる


菊芋の主成分であるイヌリンは血糖値の上昇を穏やかにしたり、血中脂質を下げたり、腸内環境を改善したり体の調子を整える働きに期待が持たれています。


そのイヌリンは、水溶性なので水に溶け出しやすい成分です。


イヌリンの実験で、90℃以上のお湯で10分加熱するとお湯の中に溶け出してくるという研究報告もあります。


茹でたり煮たりすると、茹で汁や煮汁にイヌリンが溶け出してしまうので、このような調理の時は汁まで摂りましょう。


菊芋はイヌリンの含有量が植物の中でも群をぬいています。せっかく豊富に含まれているイヌリンを無駄にするのはもったいないと思うので、汁までしっかりいただきましょう。


5.土がついた状態で保存する

菊芋は栄養価に富んだ植物です。そして非常にデリケートな植物です。傷みやすく1週間で劣化していきます。掘った瞬間からイヌリンやポリフェノールの分解が始まりますので、菊芋の嬉しい成分が減少してしまうのです。


それを少しでも防いでくれるのが、土がついた状態で保存することです。洗ったときに傷がつくと、そこから劣化が進むので、菊芋を買う際には面倒でも土が残っているような物をチョイスしましょう。


多めに購入したときは土がついた状態で乾燥させないように新聞紙でくるんでさらにビニール袋にいれて冷暗所で保存します。土と一緒に保冷庫なので保存できれば、6月ごろまで食べることができます。


必ず調理する直前に洗ってください。


6.継続する

菊芋に限らず他の野菜でもそうですが、数日食べて体に作用し続けるものは残念ながらありません。今日食べたもので未来の体が作られるのです。長く食べ続けることで菊芋の恩恵を得ることが出来ます。


これまで菊芋を食べて体の不安が解消された方の症状は様々ですが、多くの方に共通するのが、食べているときは体の調子が良いが止めると体が快適じゃなくなるということです。


例えば血糖値が下がっても、食べることを止めればまた血糖値が上がってしまうと言うのです。


菊芋で病気が治ることもあるでしょう。しかし、菊芋を食べる目的は体の調子を整えることで、本来あるべき状態に戻すことかなと思うのです。


是非上手に菊芋を食卓に摂り入れてみてください。その結果は3年後、5年後、明らかになることでしょう。


7.気軽に美味しく楽しく食べる

菊芋を食べる際に知っていてもらいたいポイントをお話してきましたが、最後にどうしてもお伝えしたいのは、難しいことは抜きにして、まずは菊芋を食べて!


菊芋の体に与える効果は今後も科学的に根拠が示されていくと思いますが、太古より人類は、経験から何を食べればよいかを学んできました。科学の進歩により後から証明されたものが沢山あります。


菊芋を以前から食べる習慣のある人は科学的データなどに基づいていたというより、食べると体の調子が良くなるのを体験で知っていたのです。


皮を剥こうが、食後だろうが、時々だろうが、まずは気軽に菊芋食を楽しんでください。

食べれば体の変化にきっと気が付くとことでしょう。



 菊芋は通販を利用して、もっと身近な野菜へ!




 

 菊芋は旬の時期は11月~3月です。生産者さんの数も少なく、まだまだ十分な量が流通していないので、スーパーなどで扱っているところが少ないのが現状です。


通販なら菊芋が簡単に手に入れることが出来ます。


菊芋食の研究所菊ののでは、生の菊芋をはじめ菊芋の加工品を取り扱っています。


生の菊芋は、地元八溝山地で栽培されおり、長年有機栽培農法に取り組んでこられた生産者さんが育てた菊芋です。


菊芋は畑の養分を吸い尽くすので、連作をすると栄養価が十分期待できない菊芋になってしまいます。


契約農家さんは、耕作地を変えながら土から育てて菊芋を栽培しています。農薬を使用せず追肥も行わない菊芋は日持ちがします。先ほど1週間ほどで劣化がすすむとお伝えしましたが、土を育てた畑で栽培した菊芋は冷暗所で約1か月ほど保存することが出来るのです。


更に菊芋の本場長野にお住いの方から、これまで食べた菊芋の中で一番美味しい、ご好評をいただいております。


一度お試しください。


「菊芋食の研究所菊のの」オンラインショップはこちらから


 

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菊芋は摂りすぎるとお腹が緩くなることがあります。ご自身の体調に合わせ、摂取量の調整をお願いいたします。


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